酒は万病の元:沖縄の飲酒と社会問題

こんにちは。築山です。

毎朝、沖縄の地元新聞の記事を読んでいますが、かなりの頻度で「アルコール」にまつわる記事を目にします。

沖縄に移住して始めて知った『路上寝』問題。

 夏真っ盛りの気温が高い日が続く中、沖縄県内では泥酔して路上寝する人が後を絶たない。路上寝は車にひかれたり、窃盗被害に遭ったりすることもある危険な行為で、道...

飲酒運転事故27年連続全国ワースト1位からの「脱出」を伝える記事

 沖縄県警交通部は15日、2017年の県内飲酒絡み交通人身事故の構成率について、人身事故が1・59%でワースト4位、死亡事故が12・2%でワースト3位となり...

飲酒は生活習慣病の温床。男性の4割が危険水準。

 全国健康保険協会(協会けんぽ)沖縄支部は26日、国立病院機構琉球病院と共同で分析した「飲酒に関するアンケート結果と健診結果の分析(中間報告)」を発表した。...

県もいろいろ取り組んでます。

 飲酒のリスクに関する知識を普及し、アルコール依存症などの疾患を予防しようと、県はこのほど「県アルコール健康障害対策推進計画」を初めて策定した。期間は201...

節酒カレンダーアプリを使って、楽しく、ほどよく飲んで、取り戻そう!健康長寿おきなわ!健康おきなわ21

県の保健衛生統括監曰く「沖縄はお酒に寛容な風潮…」だそうですが、こうした現状を見る限り、沖縄のアルコールにまつわる問題は、そんなレベルは軽く通り越して、県民の健康や経済に深刻な影響を与えるだけでなく、様々な社会問題の温床となっていると思います。

 

本当の問題は「寛容な風潮」ではなく、酒税法の軽減措置

成人男性の91%、女性の77%に飲酒癖があり、さらにその男性の4割が「危険な飲酒癖」と分類される状態は、もはや「寛容な風潮」だけでは説明がつきません。もっと根本的な理由は、沖縄県だけに適用され続けてきた酒税法の軽減措置によって、内地よりもかなり安価にアルコールを摂取出来る環境があることです。
これは、①一般消費者の酒税負担軽減、②県内の酒類製造業、関連産業(観光業・飲食業)の育成・保護、を目的としており、泡盛は▲35%、ビールが▲20%軽減され、沖縄の本土復帰以降ずっと適用&延長され続けてきた措置です。

内閣府沖縄担当部局パンフレットより(2017年度版)

 


沖縄の飲酒と社会問題の関係

これだけ安価に飲酒が出来る環境が45年以上も続けば問題が表面化するのは当然です。もちろん、社会問題というのは複数の要因が複雑に絡み合って発生するものであり、簡単に説明出来るものではありませんが、現在の沖縄が抱えている社会問題の多くは、アルコールが直接又は間接的な原因になっていたり、そのトリガーとなっているということは、各種機関が発表している数字から分析しても間違いないと思います。

こんにちは。築山です。昨日の新聞にこんな新聞記事を見つけました。子供の頃「沖縄は日本一の長寿県」という話を聞いた頃からは想像もつかないニュースだったので、気...

こんにちは。築山です。もうすぐ父の日ですね。いろんな場所で、プレゼント需要を喚起する告知を見かけますが、年売上高約1,800億円、営業利益率はその業界では有り得な...

 

もし「本当に改善したい」と思うのであれば、やることは一つ…

飲酒運転でさえ、警察が取締まりを強化しても27年連続全国ワーストを改善出来なかったのですから、いまさら税金を投入して行政や医療機関による「ガイドライン」を策定し「啓蒙」によって「個人の努力や判断」に依存するのは無理でしょう。沖縄の飲酒問題は、もはや社会問題であり、個人の力だけで解決することは不可能ですやることは一つ。酒税法の軽減措置を撤廃し、必要以上にアルコールを摂取し難い環境を作るしかありません。
上述の軽減措置の目的①に関しては「県民の酒税負担軽減」と「それによって発生する健康問題や社会問題で発生するコスト」を比較考慮すれば答えは自ずと分かります。タバコと同じように考えれば良いと思います。
また②に関しても、泡盛業界自体に(軽減措置によって必死に保護してきたにも関わらず)市場変化による需要減と「後継者不在による廃業」が発生した今、同じ税金(補助金)を今後成長するであろう沖縄経済の成長分野に振り向けるべきでしょう。

 沖縄県宮古島市平良狩俣の琉球泡盛酒蔵所・千代泉酒造所が3月末で廃業したことが6日、分かった。県酒造組合によると、県内の泡盛酒造所の廃業は1972年の日本復...

 沖縄県酒造組合(玉那覇美佐子会長)は6日、2017年の琉球泡盛の総出荷量(アルコール度数30度換算)が前年比5・3%減の1万7709キロリットルとなり、1...

言い換えれば「県民の健康と社会問題の解決」を優先させるか?「特定人や特定企業の保護」を優先させるか?の問題ですね。ちなみに「両者を救済する」という判断は、結果的に両者を損なってしまうことは現状が証明しています。減免措置の期間が切れる来年の5月までに県がどういった判断と行動をとるのか注目したいと思います。

酒の一杯は健康のため。二杯は快楽のため。
三杯は放縦のため。四杯は狂気のため

アナカルシス(古代ギリシアの哲学者)

酒はハッピーな時に飲もう
不幸だからという理由で飲んでは決してならない

チェスタトン(イギリス人小説家)

 

築山 大
琉球経営コンサルティング

 

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