食を通じてライフスタイルと文化を創る

こんにちは。築山です。

現在行っているコンサルティングの一つに、石井 雄一郎さんとの仕事があります。彼は、沖縄の人気店『月と器』Ginoza Farm Labの店主であり、一方で、沖縄最大の飲食イベントOKINAWA FOOD FLEAの主催者や、バスケットボールBリーグの人気チーム琉球ゴールデンキングス・ホームアリーナの飲食ブースのプロデューサーとしても有名です。

 

やりたかった仕事の依頼

サラリーマン時代、支店長として沖縄へ赴任した直後に出会ったのが『OKINAWA FOOD FLEA』のイベントでした。海を臨む公園という抜群のロケーションに、沖縄飲食業界の実力店がブースやフードトラックなどで出店し、その日の天気の良さと来場者の雰囲気も相まって感動し「こんな仕事をして沖縄を盛り上げたい」と心に誓ったのが4年前でした。

OKINAWA FOOD FLEA

 

このイベントに出店していた飲食店へ通うことで、築山の沖縄での食生活は充実しました。東京から来た築山の知人を案内して「ココで食べるためだけに沖縄へ来てもいい」と言わしめる店舗もあります。

その中でも『月と器』の、焼き鳥屋の範疇に収まらないクリエイティヴで美味しい料理の数々や接客レベルの高さ、『Ginoza Farm Lab』の素晴らしいロケーションや地産地消の試みなどに感銘を受けていたところ、その店主が『OKINAWA FOOD FLEA』の主催者である石井さんであることを知りました。

そんな石井さんから、築山のブログやフェイスブックを読んでくださり「今後のビジネス展開について一緒に考えて欲しい」という依頼を頂戴したのが数ヶ月前。

4年前に行ったイベントに感動して「こんな仕事をして沖縄を盛り上げたい」と思い、サラリーマンを辞めて経営コンサル屋として独立をし、そのイベント主催者から仕事の依頼を頂戴する…。光栄に思うのと同時に、自分のやってきたことが間違っていなかった、と思えた瞬間でした。

 

事業計画だけではなくブランディングを 〜コンサルタントである前に、ファンの一人として〜

石井さんからのオーダーは「これからの事業のあるべき姿と内容を具体的な形にして欲しい」というものでした。

既にお店やイベントを成功させ、沖縄の飲食業界では名の通った石井さんでしたが、彼には大きなビジョンがあり、これまでに得た経験や学んだことを、そのために活かそうとしているタイミングでした。

普通に考えると、経営コンサルタントとしてやることは「新規事業の計画策定」になります。しかし、それ以前に、彼のお店やイベントの顧客(=ファン)の一人でもある築山は、そこで打ち出されている美意識や根底に流れる価値観をもっと多くの人に知って欲しい…という思いがありました。

まず、ビジョンを秩序立てて整理し言語化・可視化すること。次に、それをマネタイズする方法を考えること。つまり、築山がやるべき仕事は、単なる事業計画の策定ではなくブランディングであり、これまでのビジネスのリブートである…と伝え、承認いただいてからコンサルティングをスタートしました。


 

しっかりしたコンセプトと貫かれた美意識

石井さんの店舗やイベントに行くと、美味しい料理はもちろんですが、毎回、ちょっとした新しい世界や感動を味わえます。そして、その裏にあるコンセプトや美意識を感じるのです。

例えば、最初にオープンさせた『月と器』のコンセプトは「人生を変える食体験」であり、焼き鳥や和食をベースにしながらも、沖縄では珍しい食材を使い、異うジャンルの料理エッセンスを取り入れ、それらにマッチするお酒とのペアリングを12年前の開業当時から行なっています。大嶺實清氏をはじめ、沖縄を代表する陶芸家たちの作品を使った料理と器のビジュアル・プレゼンテーションも斬新でした。インスタグラムが流行るずっと以前から「映え」を大切にしていたのです。

月と器

 

『月と器』の目的を「地域との繋がり」とするならば、去年オープンした『Ginoza Farm Lab』は「地域+生産者との繋がり」を目的としています。
有機の里宣言の下、良質な食材を栽培する農家が多い、沖縄本島北部の宜野座村に位置し、生産者と料理人とを繋げて地産地消を試みる場(=Lab)として、沖縄東海岸の絶景を一望できる店舗でのイベントは、地域の人々や観光客の集まる場として話題になっています。

Ginoza Farm Lab

 

4年前に始まった『OKINAWA FOOD FLEA』は「飲食業同士の繋がり」が目的です。「大人が本気で楽しく遊べる場所を作り、親子三代に愛される、沖縄の歴史となるようなイベントにする」というコンセプトを掲げ、それに賛同して集まった実力派飲食店の個性と魅力によって定期開催を続けており、口コミの力だけで、来場者は毎回1万人を超え、消費額は他のイベントの2倍以上となる、名実共に沖縄No.1の飲食イベントになるまでに成長しました。

OKINAWA FOOD FLEA

 

食を通じてライフスタイルや文化を創る

こうして、お店やイベントのコンセプトや目的を整理してみると、以下のようなメッセージが浮かび上がってきます。

・食は、食べ方でもっと面白くなる
・食は、人が繋がる場となり得る
・食は、その地域の経済圏を作る

つまり、食を通じてライフスタイルを創ることです。ライフスタイルとは「価値観の選択とそれに基づく行動の集積」であり、その意味で、流行や消費自体をエンジンとするファッションとは大きく異なります。そして、いろいろなライフスタイルが時間をかけて作り上げていくものが文化となります。特に、その土地の気候や自然と密接に関係している食文化は、人間のあらゆる文化活動の中心となるものです。
また、サンセバスチャンに象徴されるように、優れたライフスタイルや食文化は観光や移住のモチベーションとなり得ます。結果的に、石井さんのビジネスは地方創生・地域活性化にも繋がっているのです。

人間の身体は食べたもので出来ています。「ぬちぐすい」という言葉に象徴するように、戦前の沖縄には琉球王朝時代から続く医食同源の豊かな食文化がありましたが、戦後の米国統治時代に缶詰食やファーストフード文化が流入し、それが貧困や酒税軽減に因る飲酒量の増加などと結びついて、今や沖縄は全国屈指の肥満県・短命県になってしまいました。従って、今の沖縄で、食文化を見直すことは、県民の健康と生活を改善する上でも非常に大切です。

 

持続可能であること、ソーシャルグッドであること

現在、石井さんといくつかの企画を考えて実行しようとしていますが、今までのビジネスとかけ離れた事業をしたり、既存ビジネスを大きく変えることはありません。
上述のように、我々のビジネスは、ライフスタイルと文化を創ることが目的であり、これは持続可能であること、挑戦と改善の積み重ねが重要な要素になります。『月と器』が12年続いていること『OKINAWA FOOD FLEA』を定期開催していることがその証明です。

強いていえば、持続可能であるために、よりソーシャルグッドな活動を強化していきます。ソーシャルグッドやSDGsという言葉は語ることではなく行動して成果を出すことに意味があります
実際、石井さんはビジネスを通じて人を繋げる場を作ったり、経済圏を作ることをしてきました。これをさらに推し進めることを行なっていきます。

そして、かつての沖縄が持っていた自然への敬意と共生や、食をはじめとした豊かな文化は、SDGsで語られている内容に通じるものがあります。つまり、昔の沖縄はSDGsを実践していたのです。
沖縄文化を、単なる懐古趣味や形式主義や原理主義に走るのではなく、そのエッセンスを深く理解した上で現代の感覚でアップデートすることにも挑戦したいと思っています。

楽しくてやりがいのある仕事です。機会を頂いた石井さんに感謝し、周囲の賛同を得ながら、さらに成果を出していきたいと思います。

 

*掲載写真は、OKINAWA FOOD FLEA、月と器、Ginoza Farm Labの公式HPやInstagramより

 

築山 大
琉球経営コンサルティング

 

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