「空前の沖縄人気」は本当なのか?

こんにちは。築山です。

以前「沖縄の観光収入をさらに飛躍させるポイント」というブログを投稿しましたが、その10日後に(予想通りというか)こんな記事が出ました。


こんにちは。築山です。昨日の新聞記事で、沖縄県の観光収入の2017年度目標が掲載されていました。それによると、前年+13.6%を目指すそうです。ざっくり言うと「観光収...

確かに、今年の沖縄への外国人観光客は最高値を更新し続けており「空前の人気」と言われるのは事実です。観光業が基幹産業である沖縄にとって喜ばしいことではありますが、背景にある経済原理を考慮した上で、次の成長戦略を考える必要があると思い、ざっくりとまとめてみました。

 

観光客増加の背景にあるもの:為替レートの影響

以前にブログで「観光客数は自分達でコントロールできない要因によって増減する」と書きましたが、これは何かというと『通貨価値(為替レート)が強く影響する』というものです。
沖縄に来る外国人観光客は、台湾、韓国、中国、香港の4つで全体の約8割を占めていますが、この国々の通貨価値(為替レート)は2016年10月あたりから現在まで平均10%上がり、観光客数は40%増えています。逆に、台湾を例にすると、台湾への日本人観光客は17%減っています。日本人だけでなく台湾の観光客減少は深刻らしく、台北の高級ホテルが驚くような宿泊費のディスカウントを行い、必死に観光客を呼び込んでいます。
こうしてみると、沖縄の外国人観光客の増加は、沖縄自体の魅力もさることながら、それ以上に為替レートという「追い風」が原因にあることが分かります。考えてみれば当然で、自分たちが海外への旅行先を考えるときに、自国の通貨価値が弱い国の優先順位は下がりますよね。

一青妙さんのtwitterより(9/8)

 

本当の意味での観光立国を目指して

「観光客数は自分達でコントロールできない要因(為替レート)によって増減する」のであれば、いずれこの「追い風」が弱まることは十分に考えられますし「向かい風」になることだって有り得ます。観光業を基幹産業とする沖縄が本当の意味で観光立国になるためには、繰り返しになりますが、沖縄自体の魅力を高めて情報発信していくことを今からやっていく必要があります。

1. 外国人観光客の構成比をアジア中心からシフトする

沖縄へ来る観光客の8割を占める台湾・韓国・中国・香港の人々の主なアクティヴィティはご存知のように「ショッピング」(爆買い)です。自国通貨の強さを利用して来沖するのですからこれは当然といえば当然です。そんな彼等でも、世界の中で見ると使用金額は中位以下なんです。上位は欧州や米国の観光客が多くなっています。
そして、この差は何かと言うと「滞在日数」の差です。1日あたりの使用金額は変わらなくとも(爆買いで少々高かったとしても)、上位国は中位以下の2倍滞在するので使用金額は自ずと高くなるわけです。
また、為替レートのマイナス影響を抑え、リスクを分散させる意味でも、今後はアジア地域以外からも広く観光客を誘致することは重要になってきます。

2. 「外国人観光客目線で」沖縄自体の魅力を高める

使用金額上位の国の観光客(=長期滞在客)が何を求めているかというと、自然・歴史・文化・食の4つです。自然に囲まれた場所で、身体と心をゆっくり休めつつ、その国の文化を楽しむために長期滞在するわけです。モノではなくコトです。これは、沖縄に来た米国人観光客のアクティヴィティを見ても明らかです。

従って、沖縄の目線ではなく彼等の目線やレベルで沖縄の魅力を再度見直し情報発信をしていくことが重要になります。例えば、食一つを取っても、彼等の興味は単に食べることだけではなく、料理方法や食材、その栽培の仕方(安全かどうか?)など多岐に渡ります。手付かずの自然の中で、それらを体験したり体系的に学ぶことの出来るレジャーファームのような施設は、有名な観光国にあり、世界中から人が集まってきます。(ちなみに、そこの宿泊費は五つ星の高級ホテルクラス以上です)
よく言われる『富裕層の誘致』の話も、こういったサービスを突き詰めると自ずと実現できるわけです。

築山は、自分たちではコントロール出来ない客数の増減に右往左往するのではなく、自分でコントロールできる使用金額(滞在日数)の取り組みを行うことが、本当の意味での観光立国になる方法と考えており、クライアントとの協働を始めています。

 

築山 大
琉球経営コンサルティング

 

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