富裕層向けの沖縄観光コンテンツを開発する〜弊社コンサル事例〜

こんにちは。築山です。

昨年から新規事業のコンサルティングをしていた『ESPACIO Ⅰ(エスパシオ ワン)』がサービスインしました。

沖縄県の宮古島を拠点に、イタリアAzimut社の80フィート(約24メートル)のラグジュアリーヨットを使った完全オーダーメイドの貸切クルージングサービスを、国内外の富裕層旅行客や、企業のレセプションやカンファレンスに提供します。サービスのコンセプトは「海上のスイートルーム」。事業運営は、沖縄のリゾートウェディングでシェアNo.1の沖縄ワタベウェディング株式会社様が行います。ちなみに、沖縄ワタベウェディング株式会社様とは、インターンシップ事業・学生アルバイト事業に続いて、三つ目の新規事業チャレンジになります。

前回のブログにおいて、沖縄の観光業を「量から質」へ転換させる方策の一つとして、富裕層をターゲットとした高付加価値な観光コンテンツやサービスの開発によって労働生産性を上げて従業員に還元する仕組みを(沖縄企業が)作ることが重要…と書きました。

今回のクルージングサービスの立ち上げを通じて、その具体的な方法論と根拠とした富裕層に関するデータ分析を、下記の有料ブログにまとめました。前後編合わせて1万字以上のレポートです。クローズドコミュニティであるが故になかなか入手できない富裕層に関する情報や分析が満載です。


以下、この有料ブログに盛り込んだ、富裕層向け観光コンテンツ作りのポイントを以下簡単にまとめておきます。

 

富裕層向けビジネスが難しい理由

日本の富裕層は、ここ10年で世帯数は1.6倍、純金融資産額も1.7倍まで増加しており、人口に占める割合の高さは世界2位ですが、市場は広がっているにも関わらず、日本の富裕層向けビジネスには失敗に終わるものも多く、伸び悩んでいる現状があります。

富裕層向けビジネスが難しい理由は、商品やサービスを提供する側が富裕層をちゃんと理解していないことにあります。例えば、ひとくちに富裕層と言っても、属性や年代、金融資産の保有額によって、その価値観や消費傾向は全く異なっていること、クローズドコミュニティの中に入り込んで行う富裕層への営業は一般層へのアプローチとは違うことを理解する必要があることを、分析データの裏付けと共に有料ブログには書いておきました。

 

富裕層が旅行に求めていること、沖縄を訪れる富裕層は何をしているのか?

富裕層は、旅行に求めていることも一般層とは異なります。当たり前ですが、ただファーストクラスに乗り、高級ホテルのスイートルームに泊まるのではありません。富裕層向けの観光コンテンツにおいては、ハード以上にソフトに力を入れるべきです。サービス提供者の都合による「おもてなし」よりも受益者が評価し対価を支払う「オーダーメイド」のサービスであり、ナショナルブランドの安心よりも環境保護や地域貢献への貢献です。ラグジュアリーはエクスペディションでもあることを理解すると、ポナン社のクルージングが富裕層の間で人気がある理由が分かります。

また、沖縄を訪れた旅行者のうち、世帯年収1,500万円以上を富裕層と定義して一般層と比較すると、来訪頻度が高く滞在期間も7泊以上の、いわゆる沖縄のヘヴィユーザーの割合が多いことが分かりました。中でも滞在中の活動が一般層と大きく異なっており、上述の富裕層が旅行に求めていることリンクしていること、沖縄でワーケーションを実践している層と同じであることが分かりました。

 

今まで沖縄になかったサービスを作るために

こうしてデータ分析見てきた富裕層に関する価値観や消費傾向を総合して、我々は沖縄でやるべき富裕層向けの観光コンテンツの顧客価値と提供方法を明確にしました。

例えば、毎年沖縄を訪れて7泊以上滞在するような沖縄来訪する富裕層が次に求めるのは、オーシャンビューでもなく、オーシャンフロントでもなく、クルージングによるアラウンドオーシャンの没入感です。

また、我々はフォーブス・トラベルガイド』で五つ星を獲得したハワイのホテル『ESPACIO The Jewel Of Waikiki』を筆頭としたESPACIOブランドのクルーズサービスとして立ち上がりました。星獲得の決め手となったオーダーメイドのサービスというコンセプトは今回のクルーズサービスでも引き継がれます。

これを運営するのが沖縄ワタベウェディング株式会社様です。沖縄リゾートウェディングのシェアNo.1会社として、沖縄を熟知し、数多くの挙式でカップルやゲストの感動を演出してきた企画力と接客のプロによる上質なサービスで、富裕層が求めるオーダーメイドのサービスに対応します。沖縄にはクルーズサービスが沢山ありますが、ダイビングやフィッシング会社が運営するものとは異なり、サービスの質という部分では突出しているのではないでしょうか。



 

今回のクルーズサービスが、今まで沖縄になかったサービスとなり、富裕層の旅行客のニーズを満たし、結果として沖縄観光業の質の向上に貢献することを期待します。そして、このような機会を提供してくださったクライアントに感謝します。

 

築山 大
琉球経営コンサルティング

 

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