沖縄出身の県外大学生が語る「沖縄のために」という言葉に感じたもの

こんにちは。築山です。

最近、大学生から進路相談を受ける機会が増えました。それも決まって県外の高偏差値の大学で学ぶ沖縄出身者です。そして、彼らからのメッセージには決まって「沖縄のために働きたい」や、それに近い意味合いの言葉が書き連ねられています。

*本人の許可を得て掲載しています

 

彼らが語る「沖縄のために」に感じた違和感の正体

沖縄県民は郷土愛溢れる人たちが多いので、これ自体はとても素晴らしいことなんですが、築山はどうしても違和感を感じざるを得ませんでした。

まず、皆が判で押したように「沖縄のために」という言葉を使っているのが引っかかります。他県出身の大学生からはこんな言葉を聞きません。また、こうしたことは、社会である程度の実績やキャリアを積んだ人が語る内容であって、県外のそれなりのレベルの大学で学び、これから社会に出ようとする、さまざまな可能性や夢を持ち、良い意味でエゴイスティックな展望や目標を持つべき若者が語る内容ではないと思うのです。

勿論、沖縄をはじめとした社会課題の解決は重要ですし、彼らが純粋にそう思っていることも理解しています。…だとしたら、築山の感じた違和感の正体は、可能性に溢れた県外の大学生にそう言わせてしまう(沖縄に縛り付けてしまいかねない)沖縄の現状と空気の危うさ…ということになります。

少なくともこれは、築山にとって「沖縄県民の郷土愛の深さ」という言葉で片付けられるものではなく、そんな現状を作った(自分も含む)彼らの上の世代として申し訳なく思います。

 

彼らが安心して戻って来られるように…

残念ながら、今の沖縄には、高スペックな彼らの能力を十分に発揮させ、それに見合う対価を支払える組織は殆ど存在しませんし、彼等がゼロから何かを始められる経済基盤も脆弱で、そんな彼等を導ける能力や経験を持ったメンターの存在も数えるほどしか居ません(単に歳上 / 先輩というだけじゃダメなのです)。

この課題は、大学生だけに限らず、Uターン希望の社会人にとっても同様です。特に、男性既婚者の場合、県外出身の奥様が、経済面や子供の教育面の不安から移住に反対しているケースが多く見受けられました。

地域活性化のエンジンは経済であり、それは自己犠牲やボランティアでは実現しません。彼らが安心して戻って来られるには、こうした課題を解決する必要があります。築山が沖縄で経営コンサルティングをやっている理由もここにあります。

 

大学生へのアドバイス

こうした沖縄の課題解決をしたいのであれば、まずはその人自身に圧倒的な稼ぐ力が求められます。贅沢をするためではなく、やりたいこと / やるべきことをやるために、お金と、お金を稼ぐ力は必要です。全国最下位の所得の沖縄でやるなら尚更です。

従って、築山から若者たちへのアドバイスは「沖縄のために」何かやりたいのであれば、まずは自分でしっかり稼いで自活できるようになって欲しい、ということになります。同時に、早く彼らが安心して戻って来られる場所にしなければ…と改めて思いました。

 

築山 大
琉球経営コンサルティング

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