長所と短所はコインの表裏

こんにちは。築山です。

コンサルの現場で、会社のマーケティング(特に、ポジショニング分析)を行ったり、従業員の方々との面談を行っていると「長所を伸ばし、短所をなくす」という言葉をよく聞きます。もっともな響きに聞こえるのですが、よくよく考えてみると、少し違うのではないか?…と常々思うところがあったのでまとめてみたいと思います。

 

長所も短所も、ある局面における一面的な評価に過ぎない

例えば、こんな経験はないでしょうか?ある人からは「厚かましい」と言われたのに、別の人からは「積極的だ」と評価された…など。
長所も短所も、その人から発生するものである以上、根っこの部分は同じであり、ある局面や状況、対人関係や集団の中での、ある一面から見た一時的な評価に過ぎないのではないか?言い換えれば、長所と短所はコインの表と裏の関係だと、築山は思うのです。

特徴や個性の発揮を最適化させる

常に、素朴な疑問を投げかけたり、自分の考えや意見を言うことの出来る「積極性」を、周囲が「厚かましい」という短所と決めてしまったり、本人が短所だと感じて萎縮してしまうと、その人が持つ特徴や個性が失われてしまいます。そして次第に組織には均質的な考え方を持つ人だけになってしまう恐れがあります。
それはそのままとして「言い方」や「言うべきタイミングや場所」を見極める方法を身に付けた方がずっと効果的です。つまり「長所を伸ばし、短所を無くす」のではなく「その人の持つ個性や特徴を最適化する能力を身に付ける」という考え方です。

 

特徴や個性の発揮は、マネジメントの重要な仕事の一つ

築山は、前職でマネジメントをしていたとき、コンサルタントとしてクライアント会社の従業員と仕事をするとき、最初に必ず簡単なテストをやってもらって、一緒に仕事をするメンバーの特徴やキャラクターを把握しメンバーにも共有することにしています。そして、それらをレーダーチャートにしてみるとチーム全体の特徴が分かります。
下の図で言うと、左のチームはレーダーチャートがきれいです。メンバーにバランスのとれた人が多くマネジメントする側はラクだと思います。右のチームはメンバーの個性は全くバラバラですがそれぞれの突出度合が高いのが特徴です。マネジメントは大変かもしれませんが、上手くやれば大きな成果を出すポテンシャルを秘めています。
このレーダーチャートのポイントは、形の美しさではなく各項目の最高点を結んだ面積の大きさを見るからです。そして、築山が実際に見にするレーダーチャートは右
のパターンが殆どでした。(もちろん、これは最初の段階の大雑把な把握であり、その後はコミュニケーションを通じて、各人をより深く詳細に把握します)

こうして、マネジメントの側面から見て考えると「長所を伸ばし、短所を無くす」よりも「その人の持つ個性や特徴を最適化する能力を身に付ける」という方がしっくりくることが分かってもらえると思いますし、その組み合わせ方とポテンシャルを引き出すことがマネジメントの重要な仕事だということが分かります。

最近のアメコミ映画のヒット作品も「それぞれが異なるパワーを持つヒーローの集合体モノ」が多いですし、築山の好きなサッカーの川崎フロンターレもメンバー個人の特徴を高次元で組み合わせて活かすチームというのをコンセプトにしています。
長所や短所は誰にでもあり、それはその人の特徴や個性から発生する「しるし」みたいなものです。そこを無理に変えるのではなく、それらをより良く発揮する方法や環境を整えてあげることがより重要である…と思うのです。

 

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