「変わらなければならない」という病

こんにちは、築山です。

2018年が始まって1ヶ月が経過しました。新聞の特集や、企業の年頭挨拶などを見ると、今年の新年は例年以上に「変化」という言葉を目にします。
しかし、変化というものは不思議なもので、それを誰もが本当に理解するのは一定期間が過ぎてから、さらに言うと、変化が終了して初めてその全容が分かる性質のものです。そして、そのタイミングで変化しても得るものは少なくなるので、変化の始まりを感じたタイミング、遅くとも、変化の真っ只中で動き出さないとダメなわけです。
「どうなるか確信は持てないけど、おそらくこっちの方向だろう」という状態で走り出すのが現在のビジネス活動と言っても過言ではありません。今や、誰もが「変わらなければならない」と言いながら働いている…皆さんの会社の社長や上司、同僚もそうではないでしょうか?

「変わらなければならない」という病

変化は常に起こっていて、止まることはありません。今や「変化していることが普通の状態」ではないでしょうか?むしろ、築山は「変わらなければならない」と言い続けることへの違和感を感じてしまいます。問題は、変化そのものではなく、変化に対応していない状態なのではないか?…と。あえて「病」という強い言葉を使った理由はここにあります。

1.「変わらなければならない」と連呼するけど方向性が分からない(示さない)
2.「変わらなければならない」けど、できれば自分だけは変わりたくない
3.「変わらなければならない」とは言わず、さっさと変わってしまう

好むと好まざるに関わらず、我々を取り巻く世界の変化のスピードはますます加速し、その影響範囲もどんどん広くなっています。例えば、自動車産業に起こっている『モビリティ革命』は「市場や競合を含んだ根こそぎの変化」と言えるほどラディカルです。実際に、日本の携帯会社二社は、時期をほぼ同じくしてこのような動きをしています。


これを「儲かってる大企業が潤沢な資金を使って、伸びている市場で小遣い稼ぎをしている」と見る人もいるかもしれませんが、築山は上記の「3」に当たる動きだと思います。その理由については『モビリティ革命』で起こっている変化について考えた下の記事を読んでみてください。
 


安定したいからこそ変化する

築山も含めて、人は安定を好み、無意識に変化を避ける生き物です。そして、計画を立てそれに沿って仕事をすることで安心を手に入れようとします。しかし、目まぐるしく変化するビジネスの世界では「計画=解決策」ではないのが実際のところではないでしょうか?
実際のコンサルティングの現場でも、計画は立てた側から狂っていきます。市場は変化し、競合は現れ、予想もしなかった事件や事故が社内外で起こります。馬鹿と未来はいつも想像を超えたところからやってくるものです。
必要以上に計画に時間を割くのは止めましょう。過剰に理詰めのロジックを積み上げていくよりも、依って立つコンセプトを決め、7〜8割の完成度で構わないので全体像を描き切ることが大切です。「3」の如く、さっさと始めて得た時間のアドバンテージをPDCAに回しましょう。

予測不可能な変化の世界で、重要なのは計画そのものではなくそれを立てる過程です。市場や社内外の状況を常に把握し、やるべきことや優先順位を考える方法を身に付けることにこそ意味があります。

“There is nothing noble in being superior to your fellow man; true nobility is being superior to your former self.”
-Ernest Hemingway
真の気高さとは,他人より優れていることではなく、過去の自分よりも優れていることだ。
-アーネスト・ヘミングウェイ

 

「変化していることが普通の状態」である現代は、結果的にそれが我々の求めている安定につながるのだと思います。

 

築山 大
琉球経営コンサルティング

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