台湾とハワイと沖縄

こんにちは。築山です。

過去最長のGW10連休に突入しました。沖縄への航空便はほぼ満席、ホテル予約もほぼ満室のようです。昨年度の沖縄の観光客数は999万9千人。今年度は1,000万人の大台突破を目標としましたが、今秋以降の増税による消費の冷え込みを踏まえると、この10連休でどれだけアドバンテージを得られるかがキモになりそうです。


 

円安のインパクト:沖縄&台湾の台頭とハワイの没落

「国内なら沖縄、海外なら台湾」。近年の日本人の人気旅行先はこの二つです。少し前まで不動の人気を誇っていたハワイは台湾の後塵を拝しています。

沖縄と台湾への渡航者数は2012年あたりから急激に増加し、2014年に台湾への渡航数者はハワイを抜いています。2012年から始まった円安が全てを変えました。

日本人にとっては、実質賃金や可処分所得の減少に円安(=自国通貨価値の低下)が加わったことで旅行先の「近場の海外や国内志向」が強くなりました。平たく言えば「ハワイへ行くだけのお金や休みがないからその代わりに沖縄や台湾へ行く」ようになったわけです。
一方、東アジア諸国の外国人にとっては、円安(=自国の通貨価値の上昇)を背景に「沖縄は安く買物が出来る一番近い日本」という存在になりました。

こうして沖縄は日本人にとっても外国人にとっても「安価で手軽なリゾート地」になることで10年間で観光客を2倍以上(国内客1.4倍、海外客15.2倍)に増やしたのです。

 

今後、台湾は日本人にとって「次のハワイ」になる

そして、台湾への渡航者数がハワイ抜いた2014年以降、雑誌やメディアの「ハワイ特集」は「台湾特集」へとシフトしていった感があります。
食べ物が美味しく健康的なイメージもあり、綺麗な景色が豊富で親日家の多い国ということもあり、築山は、台湾はいずれ日本人にとってのハワイのポジションを取って代わるだろうと確信しています。

最近、日本の雑誌やメディアの特集は台湾だらけ!


ここ最近の日本でのタピオカミルクティーの異常な人気ぶりもそうですね。

 

台湾とハワイと沖縄:観光客数はほぼ同じなのに観光収入がまるで違う

沖縄と台湾とハワイ、観光客数はほぼ同じですが観光収入は全く違います。台湾の観光収入は沖縄の1.7倍、ハワイの観光収入は沖縄の2.7倍です。沖縄は日本人にとっても外国人にとっても「安価で手軽なリゾート地」と言いましたが、それが如実に現れている数字です。

一言で言えば「沖縄は観光の労働生産性が異常に低い」ということです。客数が同じなのに観光収入が低いということは観光客1人あたりの消費額が低いということであり、さらに突き詰めれば滞在日数か、1日当たりの消費額か、そのいずれも低い、ということです。

沖縄は、地理的にあらゆる場所から遠く離れているが故に必然的に滞在日数が長くなるハワイをお手本にするのではなく、東アジア諸国から近く地理的環境の似た台湾の観光での稼ぎ方をお手本にするのがいいですね。

観光産業に限らず、沖縄と台湾を比べて最も顕著なのは生産性の差です。日本で最も労働生産性の低い沖縄は台湾から学べることはいっぱいあります。ヒントは「デザインによる付加価値」「伝統と独自文化のプレゼンテーション方法」「健康とライフスタイル」あたりですね。


労働生産性を上げるために重要なのは付加価値売上を上げることで、それには観光マーケティングが必要です。観光マーケティングとは『顧客の目線で自己認識とサービス価値を創造すること』です。具体的な方法と事例は以下ブログを読んでみてください。リリース以来、1日1冊の割合で売れている人気記事です。

 

築山 大
琉球経営コンサルティング

 

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