こんにちは。築山です。
顧客の目線で …
顧客の立場になって …
聞かない日がないくらい、ビジネスの現場でよく使われる言葉の一つです。なぜそれだけよく使われているかと言うと、裏を返せば「それだけ出来ていない」からなんですね。でも、世の中で上手くいっている会社や店は顧客視点で価値を創りだしてそれが支持されているわけです。
顧客視点って難しいです。極論を言えば「相手の目線を手に入れる、相手になりきる」ってことですから。
言うは易し行うは難し。
前職のサラリーマン時代に叩き込まれた考え方で、フリーになった今でも行動規範にしている言葉があります。
顧客の言うことを聞くな、顧客のためになることを成せ
要望を聞いて後手の対応ばかりに埋没するのではなく、そこから先回りして顧客価値を作り出せ…ということですね。う〜ん、それでもまだ難しい。でも、やらなきゃ生き残れないんです。
コンサルティングの現場で、マーケティングについて話を求められたとき、顧客視点を得るためによく話している内容で、経営者として築山自身も意識して行動しているポイントは以下の2つです。
「誰も自分の言っていることに興味は無いし、聞いていない」という前提で考える
・今日、貴方が見た街中にある看板や広告をいくつを覚えてますか?
・店で見た告知物の中で家に帰ってから思い出せるのはいくつですか?
・職場の上司や部下は、貴方が一回話せば全てその通りやってくれますか?
そう考えれば、興味を持って貰ったりその通りに行動して貰うための自分の行動や考え方の全てが変わってくるはずです。緊張感もありますし、たまにちょっぴり寂しさも感じますが、効果テキメンです。
日常生活を意識的にしっかりと過ごす
資本主義経済では「労働者は、同時に消費者でもある」です。仕事を離れて消費者として買物や食事、何らかのサービスを受ける側になった時に感じた不都合や、逆に感動したサービスを覚えておいて、その裏側に考えを巡らせてみてください。そこには何らかの経営やオペレーションの努力があります。顧客視点が実現出来ない原因の殆どは、提供者側の都合だったりします。もちろん自分一人で変えられることだけではないですが、少なくとも顧客視点を意識して考え方や行動を変えることの一助にはなります。
「日本にはおもてなしの文化がある!」とよく言われますが、これは日本が単一民族であるが故に一定の共通認識があり、価値を受け取る側が、価値を提供する側の事情を汲める関係だったからこそ成立した言葉だと思います。これだけ、世代やライフスタイルによって消費や行動パターンが多様化すればズレが生じますし、観光が基幹産業である沖縄に住んでいると、全く異なる文化や背景を持つ外国人観光客が増える中で本当に「おもてなしの文化」が機能しているのか疑問な場面に出くわします。ぶっちゃけ「郷に従う気がある人だけにもてなす」なんじゃないかと感じる時さえあります(笑)
もちろん、その関係性で儲かってる事業を否定する気はありませんし、一方的に無理難題を押し付ける顧客の言うことは聞かなくていいですが、素朴な疑問と健全な猜疑心こそが「顧客視点」を手に入れるポイントで、すごく難しいからこそ、それを手に入れた会社や店は繁盛するわけです。
明日からチャレンジしてみましょう。
築山 大