すべての小売業はコンサル化する?

こんにちは。築山です。

米国の小売業やショッピングセンターの閉店に歯止めがかかりません。現時点で6,000店舗以上が消滅しています。日本ではそこまでではありませんが、それでも百貨店の閉店などの話題は連日ニュースになっています。

売り上げや客足の低迷で、アメリカでは何千もの小売店が閉店している。2017年に入って現時点までに発表されたブランド別の閉店数をグラフにまとめた。その...

原因はネットショッピングなのか?

この手の話題になると必ず「ネットショッピングによる購買行動の変化」という原因が取り上げられます。確かにネットショッピングは急速に成長していますが、全米の市場規模から言うとリアル店舗での購買比率は9割もあり、まだまだ大きいのです。
この状況は日本でも同じで、インターネットショッピングでの
購入経験のある世帯比率はまだ約3割、項目別支出割合に占める物品購入はその内の約6割にとどまっています。世代による利用比率の違いはありますが、全体で見ると思ったよりも少ないですね。従って、ネットショッピングも原因の一つではあるが決定的要素ではない…というのが築山の考えです。

じゃなければ、本当の要因は何?

・購買の縮小:中間層の減少と低所得者層の増加

貧富の格差が進む米国では、中間層の比率は過半数を切り低所得者層が増加しています。当然ながら、国民の大多数を占めるこの層の購買は縮小します。

・デフレ進行と、それを埋め合わせるための供給過多

所得が減り購買が縮小すると、それに合わせて商品やサービスの低価格化、つまりデフレが進行します。供給側は商品単価が下がるため、それを埋め合わせるべく生産者は製品の種類を増やし、小売業はそれを並べる売場面積を増やす必要が出てきます。そうやって売場面積(店舗数)が増えて行き、やがて過剰になっていきます。

・ライフスタイルや価値観の変化

所得が減ると、共働きや長時間労働が増えます。家のサイズや生活スペースも縮小します。つまりライフスタイルが変化します。ネットやSNSの普及によって様々な情報に触れるうちに「カネもないし、そもそも沢山モノを持ったり消費するのはカッコ悪いよねぇ」という価値観の変化が生まれ、ますます購買が縮小していきます。

つまり、店舗や売場が増えても店舗あたりの売上は増えず、逆に、それらを維持するコストや労働力を必要としていた小売業は、これらの背景が要因で閉店や破綻が始まっている…というのが築山の考えです。

…そしてそれは、数年後の日本や沖縄でも起こり得る

このような米国の状況を踏まえた上で、日本を見てみると米国と全く同じ状況が進行していることが数字の上からも明らかになっています。約25年で所得は10%減る一方で、小売業の売場面積は約1.3倍増えましたが、売場あたりの売上は30%も減っています。
そしてさらに、沖縄の状況を見てみると、例えば所得比率と比べて総合スーパーや食品スーパーなどの小売業の人口あたりの店舗数は、全国平均より多くなっています。コンビニエンスストアはまだ少ないですが、来年に予定されるセブンイレブンの上陸は始まればすぐに店舗数過多となるでしょう。

コンサル化した小売業しか生き残れない

今や日本の小売業の多くは、取り扱う商品の大部分がコモディティ化し、価格戦略やスケールメリットにモノを言わせたシェアの奪い合いに陥っています。カテゴリによっては、ネットやSNSなどで情報を得て販売者よりも商品知識を持った購買者もいます。SPA事業方式を採っていたり、安定的トップシェアに位置していない企業は、彼等の経済状況とライフスタイルを理解し、適切な商品を適切なタイミングで提供できる小売業に変化する必要があります。言い換えれば「コンサル化した小売業」しか生き残れません。

コンサルティング:専門家の立場から相談にのったり指導したりすること。また、企画・立案を手伝うこと
(出典:小学館 デジタル大辞典)

1. 専門家であること

カテゴリを絞り込み、深堀した品揃えにする
・その道に精通したスタッフが接客や運営する
・価格ではなく、その顧客のコスパや利用状況に合わせて売る
・来店動機が「そのスタッフの存在」である

2. 企画・立案を手伝うこと

・顧客の生活導線を知っていること(前提として上記1が成立)
・販売者=提案者=顧客(顧客によっては売らない判断もする)

・長期的なコミュニケーションが出来る(安易な異動をさせない)
・スタッフ自らが販売のPDCAを回せること

築山が過去に行った沖縄の小売チェーンへのコンサルティングでは、前提として、ランチェスター理論に則って、事業戦略や販売戦略だけでなく、人事戦略も整えた上で、上記二つを徹底して価格戦による消耗から脱却することが出来ました。

こんにちは。築山です。企業が売上と利益を上げるために、価格は重要なポイントとなります。一般的・学問的に言えば価格は需要と供給のバランス、言い換えると顧客(と...

このコンサルティングを通じて「一旦、自社の都合は脇に置いて、100%顧客目線になって考え、やり抜く」ことがキーポイントで、そうなると必然的に「顧客にとってコンサルタントのような存在になる」のだと理解しました。現在、小売業を営まれている方々の一助になれば幸いです。

 

築山 大
琉球経営コンサルティング

 

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