こんにちは。築山です。
ビジネスの共通言語は数字
いろんな目的や価値観を持った人達が集い仕事をしていく中で、目標や達成度の良し悪しを測ったり、それらを誰にでも分かるように説明するためには客観的な「ものさし」が必要です。
結果や進捗を上司や部下に尋ねて「う〜ん、ちょっと悪いですね…」とか「バッチリ!とても順調です!」とだけ返ってきたら「オイオイ、大丈夫かよ?」ってなりませんか?築山のワカゾー時代はそんな人間でした。うん、今考えても酷かった(笑)
『お前の意見は聞いてない』という言葉は「ちゃんと分かるように数字で説明しろ」というのが本意で、サラリーマンだった前職時代に徹底的に叩き込まれました。「数字で把握し、数字で語りなさい」…と。
だからと言って数字がすべてではない
やはり、ビジネスのエンジンは「思い」や「志」であり、それを円滑に進めるための言語が数字なワケです。ちょうど、このブログの文字や画像を表現するために裏側でHTMLコードが走っているように…。そして、そうやって数字で示された事実をもとに、建設的な議論が始まったり、やるべきことやその優先順位が決められるべきです。言い換えると数字はビジネスで行動をするための「きっかけ」です。
数字との向き合いかた
数字で示された事実というのは残酷なくらいシンプルです。人のエゴや欲というものが、それらの解釈を曖昧にしたり、解決を妨げています。コンサルの現場でも、最初の段階で行う数字による分析結果を話すと「あなたに批判される筋合いはない」と怒り出したり、逆に「ウチは最悪ですね」と酷く落ち込んでしまう人が少なからず居ます。
コンサルタントは、批判したり責めることが仕事じゃありません。改善する方向性や具体的な手段を見つけ、クライアントの潜在力を引き出しながら一緒に問題解決をすることが本当の仕事です。数字による分析結果は「スタート地点」を示しているに過ぎないのです。
数字との向き合い方に慣れてくると仕事のスピードや生産性が上がります。まず、いろいろな課題に「悩む」のではなく「論理的に考える」(数学的な作業に近い感覚)ようになります。論理的に考えると解決の道筋がクリアになるので、優先順位が付けられ、前向きに進めるようになります。前向きに進むようになると仕事が楽しくなります。仕事が楽しくなると成果が出やすくなります。
築山がコンサルティングをする時には、クライアントの方々が、とにかくこのサイクルに乗っかれるよう、数字との向き合い方に慣れてもらうことを重視しています。
数字と向き合うためにオススメの本
きっかけは、観光を基幹産業とする沖縄が採るべき方向性を学ぶためにリサーチを兼ねて読んだんですが、これがとても面白かった。筆者は大英帝国出身の元証券アナリストで、現在は国宝や重要文化財の補修を手掛ける創立300年余り続く日本の老舗会社の社長です。
これまで、日本で当然のように語られてきた”物語”や”神話”が「客観的な数字」に基づいて完膚なきまでにバッサリと切り捨てられ、読んでいて気持が良いくらいです。
論拠はいたってシンプル。『国の数字は絶対値(総数)ではなく相対値(国民一人当たり)で見る』という一点のみ。
それによると「高度経済成長は単なる人口増のボーナスであって労働生産性は昔から低かった」で(笑)、「製造業は世界11位(絶対値では2位)で研究開発費は世界10位(絶対値では3位)だから、日本はぜんぜん”ものづくり大国”じゃない」だそーな(笑)。
余談ですが、弊社のブログで述べた沖縄の企業分析も、本当の実力を知るために「従業員一人当たり」で算出していましたが、我が意を得たりな感じで嬉しかったです。
築山 大
琉球経営コンサルティング