データで見る沖縄県民の生活:稼いでも、稼いでも、ラクになれない沖縄

こんにちは。築山です。

クライアントの仕事で、沖縄の世帯収入と家計支出について調べる機会がありました。これまで、沖縄の経済や産業構造の側面からの分析は行ってきましたが、世帯や家計の側面からの分析は行ったことがなかったので新鮮でした。

そして、これらは、県民生活の実態や変化を知るマーケティング・データとしてだけでなく、沖縄の貧困問題を理解する上でも参考になると思ったので持ったので、さらに深堀りして有料ブログに公開しました。10日ほど前に、何の告知せずにひっそりリリースしたんですが、アップした数時間後から売れ始めて驚きました(ご購入いただいた方々に感謝)。

データ分析をして分かったのは、世帯収入の増加率を超える家計支出の増加率という事実。「稼いでも、稼いでも、ラクに慣れない沖縄」の状況です。その導入部分を少し紹介します。


沖縄経済の成長と世帯収入の増加

2012年から始まった円安の効果によって沖縄の観光客数はハワイと同規模の1,000万人まで増加。それに伴う民間投資や公共事業の拡大などもあって、沖縄の経済も2019年までの長期間に渡って全国平均を上回る成長率を叩き出していました。

加えて、沖縄の生産年齢人口(15歳〜64歳)が2012年から減少に転じたことで人手不足も加速しました。有効求人倍率と最低賃金は上昇し、永年に渡って沖縄の経済と社会を悩ませ続けてきた高い失業率は本土復帰後の最低値まで一気に改善されました。今まで家に居た人が外へ働きに出るようになり、労働者数も世帯員全員の収入も増えました。


世帯収入を上回る家計支出の増加率

しかし一方で、家計支出の増加率(105%)は、世帯収入の増加率(104%)を上回りました。前者を後者で割った生活コスト指数が100%を超えた地域は全国で沖縄だけです。これが「稼いでも、稼いでも、ラクになれない状況」という経済的な側面からの「生活のしづらさ」です。

沖縄の世帯収入と生活コストは平均すると全国平均より2割ほど低いのですが、その中には支払金額が全国平均と変わらない支出項目や、増加率が全国平均を上回る支出項目なども沢山あります。リンク先では、それらの原因や、県民生活への影響について詳細と分析を書いています。


▶︎CONTENTS
・おしゃれや娯楽、身体のケアも後回しにして生活費に充てる苦しい家計
・支出項目分析:離島故の物価高や経済成長の「副作用」による不可抗力的な増加
・支出項目分析:生活の変化に必要な支出。意図的な増加
・明らかな異常値。低所得世帯に特徴的な支出傾向
・重くのしかかる教育費。「子どものために…」

興味のある方は。是非読んでみてください。

 

築山 大
琉球経営コンサルティング

 

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