こんちには。築山です。
仕事柄、クライアントに対して数値分析や事業戦略を話したりプレゼンをする機会が多いのですが、その際に気を付けていることは「結論を分かりやすい言葉やビジュアルで伝える」ということです。忙しい経営者や現場スタッフの時間を頂いてるわけですから当然です。どれだけ大量のデータを分析し、的確な表現や言葉を絞り出すために思考を費やしたとしても、クライアントには関係ない話ですし、意思決定して行動して貰うことが本当の目的ですから。世間でいう「企画書は一枚」や「エレベータートーク」と言われている能力ですね。
言葉を醸造する
ココには凄くこだわります。昔から読書は好きなので、思考を適切に言語化できるようになりましたし、使えそうなキーワードや比喩を見つけるとスマホのメモにストックしておきます。ビジュアル化に関しても、一見関係なさそうな数字のまとめ方や見せ方のレベルから勉強しています。そしてこのブログもそういった自分の力を鍛えるために書いています。日々「言葉を醸造する」という感覚に近いです。伝えたいメッセージについて、シンプルで的を得た言葉やビジュアルが見つかりスパっと伝わったときの相手のスッキリした表情を見ると、こちらまで嬉しくなります。
『センスとは集積した知識を基に最適化する能力である』という言葉は本当なのだと思います(逆に、無意識に行っている場合は『勘』と呼ばれます)。
シンプルアンサーの弊害
一方で、最近、プレゼンや会議の時に即決いただけるほど支持を得て走り出した計画が、実行早々に頓挫するような事態もよく起こります。話を聞いてみると「こんなにしんどいとは思わなかった…」「もっと簡単に出来ると思ってた…」などの言葉が返ってきます。当然、関係者には起こりうる事態やリスクも予め説明しているのですが、シンプルアンサーの印象が強烈なほど、それだけが一人歩きしてしまう事態を発生させてしまっているのです。
これは、築山自身の日常生活でもよく起こります。結論とその表現が、自分の中にスパっと気持ちよく入ってくるが故に、その裏側やその後についてあまり考えないまま判断して後で苦労したり、酷いときは「裏切られた」と勝手に一人で怒る…という(笑)
物事のプロセスや背景の理解をおろそかにして、自分に都合よく解釈してはいけないですね。こんなときはいつも『分かりやすい結論は諸刃の剣』なのだと反省します。
分かりやすい結論は「フック」であるべき
そんなこともあって、築山は「戦略計画=解決策」ではないことを肝に銘じるようになりました。重要なのは計画そのものではなくそれを立てる過程であり、市場や社内外の状況を正確に把握しやるべきことや優先順位を考える行為にこそ意味があるのだと思います。
計画は立てた側から狂っていく。市場は変化し、競合は現れ、社内外で事件や事故は起こる。予測不可能な世界にあって、計画だけに縛られてはいけない、考え続けることが大切なのだと。「分かりやすい結論」はそのときに立ち返る原点というかフックのようなものであるべきなのだと思います。
築山 大
琉球経営コンサルティング