誰からも好かれるものは、誰ひとり熱狂させられない

こんにちは。築山です。

タイトルの言葉は、世界的に有名な自動車メーカーであるBMWの創業者が語ったとされていますが、マーケティングと事業戦略の本質を端的に言い表した言葉として、築山は心に刻んでいます。

だから、BMWは儲かっている

BMWの売上は、世界の自動車市場では9位に過ぎません。圧倒的シェアを誇るフォルクスワーゲンやトヨタの4割強、上位9社平均と比べても7割弱の売上規模です。新車販売台数に至っては3割程度しかありません。
しかし、走行性能に特化した、高い技術力とデザインを兼ね備えた、販売単価の高い車を生産することで高い利益をあげています。純利益額では5位で上位9社平均の1.6倍、純利益率では2位で3倍もあります。この会社は、理念に従い「走行性能を重視する顧客」だけに絞り込んで車を作ることで彼等を「熱狂」させ、高い利益を上げているのです


強者が強者に勝つための闘い方のルール:ランチェスター理論

この「絞り込み」こそが、ビジネスのマーケティングや戦略において非常に重要です。中小企業が全体の99%を占め従業員の7割がそこで働く日本ですが、沖縄ではその比率は9割になり、個人事業の割合も7割と全国平均の1.5倍あります(築山もその一人です)。規模の小さな会社が、規模の大きな会社と同じ方法で闘えば必ず負けます。ランチェスター戦略は、その闘い方のルールを教えてくれます。
ランチェスター戦略における「強者」「弱者」は、規模の大小ではありません。企業同士が競合する局面において市場シェア1位の企業が「強者」で、それ以外の企業は全て「弱者」と定義されます。さらに、競合局面は、①何を(商品)、②どこで(地域)、③誰に(顧客)、④どうやって(流通)、の4つで考えます。こうして細分化された領域で考えることで規模が小さな会社でも十分に闘っていけるわけです。
そして、弱者の闘い方の基本は「差別化」「一点集中」「No.1(安定目標シェア41.7%)を目指す」です。

ランチェスター戦略で過剰な低価格戦から脱却

築山が行うコンサルティングでもランチェスター戦略を活かしています。しっかり顧客分析をしてターゲットを絞り込み、自分達にしか出来ないサービスをいくつも作ってターゲット毎に提供することで、低価格戦から脱却し、売上と利益を上げることができました。低価格戦は「強者」の戦略です。「弱者」がこれに従えば絶対に勝てません。クライアントにも当初は「価格を元に戻したらお客様が離れていく」という懸念がありましたが「それを上回るサービスを提供する」と腹を括って実行し、小さな領域での勝ちを積み上げていくことで、1年後に振り返ってみると客数は下がらず、客単価の回復分がそのまま売上回復分に繋がっていました。詳しく知りたい方は下記を読んでみてください。

 

何かを決めることは、何かを捨てること

頭では分かっていても、怖くてなかなか出来ません。しかし、強者の戦略に引きずられて同じことをやっても、先に待つものは消耗しかありません。勝てない闘いですから…。不安に思ったり悩む時間があるならば、自分達の強みや他者では出来ない価値を考えて創り出し、磨きをかけることに費やした方が効果的です。
そのためには、必要な情報を集め、顧客視点で徹底的に考え、そこに主なリソースを突っ込む勇気が必要です。「事業戦略」とはこういった一連の作業なのです。そして更に大切なのは、振り返りと微調整を繰り返しながらそれを継続していくことです。ギャンブルではなく、ビジネスなのですから。


ランチェスター戦略を理解し、使うための本

この本は、そんなランチェスター戦略をとても分かりやすく説明してくれる究極の一冊です。築山はいつも手元に置いて読み返せるようにしています。考えてみると、ランチェスター戦略は普段の生活にも応用できます。世の中でよく言われる「個性を発揮する」ことはまさにコレですし、不特定多数から「モテる」よりも自分を理解してくれる素敵な人達と深く繋がっていた方が幸せですよね。築山は、小さな頃からよく「天邪鬼」と言われてましたが、この本を知ってから「合理的な天邪鬼」に変身することができました(笑)。

やはり『人生はマーケティング』ですね。明日からチャレンジしてみましょう。
 

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