ポストコロナ時代の沖縄観光業

ヒント①:エア移住・長期滞在化

オンライン会議を軸にしたリモートワークの普及と定着は、一部の人の働き方と生活を大きく変えました。リモートワークがもたらす「自由裁量+成果評価オンリー」の仕事スタイルを選んだ人は、職住分離が可能になります。

人口密集地ではない落ち着いた場所、自然環境や美味しい食べ物の採れる場所に住みながら、オンラインで東京やその他大都市のオフィスの人たちと仕事をする。つまり、そういった人たちのエア移住や長期滞在ニーズを満たすことが観光業が新たに目指す領域となります。

以前のブログでも述べましたが、長期滞在者やリピーターが多い地域というのは「そこにお手本となるライフスタイルがある地域」で、具体的には、①ウェルネスを感じる自然環境、②生活インフラの整備、③持続成長が可能な経済圏の存在、④地域住民のQOLとオープンな社会、の4つから構成されます。沖縄もこの条件を満たすことができれば、エア移住者や長期滞在者の消費活動に支えられた観光収入を得ることが出来るでしょう。

 

ヒント②:安心・安全・三密回避としての貸別荘や一棟貸し

例えば、星野リゾートの様々なホテルブランドの中で、温泉旅館ブランドの「界」では、コロナウィルしが拡大していた3月でも計画通り稼働しており「小規模の温泉旅館で、個室で食事ができ、客室でゆっくり滞在できる施設は、宿泊客に安心されるとの自信になった」ということです。つまり三密を回避出来る宿泊施設の需要が高まります。

これを沖縄に当てはめると、貸別荘や一棟貸しの宿泊施設になりますね。実際、海外の観光地では、そうした一棟貸し民泊(バケーションレンタル)の新規予約が世界的に急増しているそうです。付け加えるならば、こうした施設の宿泊費は通常のホテルより高額なので、旅行者の消費金額増にも貢献します。

 

ヒント③:信頼できる海外客、信頼できない国内客

日本政府は世界40ヵ国以上と入国規制緩和の議論を始めているそうです。具体的には、事前のPCR検査の陰性証明と入国後2週間の行動計画提出を条件とし審査が通ればビザ発給、若くは、日本到着時も空港でPCR検査を受け陰性であれば、海外からの入国者に対して求めている14日間の行動制限を免除する…という内容になっています。

現行の日本の医療制度では、PCR検査は「医師が必要と判断した場合」に限られ(6/5時点厚生労働省Q&Aより)実質、自ら検査して陰性証明をする手立てがありません。また、空港等にサーモグラフィーを設置してはいますが、発熱を原因に隔離拘束や強制送還させることが出来ないので国内客に対する水際対策は実質機能していません。上述の入国規制緩和が実施されれば、観光客受入側から見ると「陰性(=安全)だと信頼できる海外客、信頼できない国内客」という図式が出来上がります。

そうなると、海外客に人気や利用の多い宿泊・観光施設は、安心・安全のイメージが増幅され、より集客をすることが可能になります。さらにそれが②であれば完璧ですね。

余談ですが、目的や使途が曖昧なまま、導入ありきで進めていた沖縄県の宿泊税(直前に、コロナ禍によって導入保留)についても、安心・安全のための使途などを再定義をすれば、観光客や県民の支持を得て即導入できると思います。

 

早いところは既に動き出している

これら3つのヒントから具体的な対策を考えて実行するには、ある程度の時間とコストが必要になりますが、だからこそ、早い企業は、既に覚悟とリスクを負って動き出しています。

実際、ホテルのM&A案件を掲載するサイトには、事業継続が難しくなった沖縄のホテルが複数売りに出ており、外資系企業や投資家からの問い合わせも増えているそうです。ポストコロナ時代の沖縄観光業は、既に新しい可能性を秘めつつ動き始めています。

築山 大
琉球経営コンサルティング

 

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