「勉強する」なら値引きではなく付加価値を

こんにちは。築山です。

このブログを含むHPがGoogle検索で1位になったり、クライアントからいろんな沖縄企業様や経営者の方々をご紹介いただく中で、協業や営業のお話を頂く機会も増えました。
実際、ある企業様からお誘いを受け、沖縄ではどこもやっていない企画を共同で立ち上げて、大手流通企業様へのサービスを開始しています。

他社様との協業は、弊社の強みや顧客価値が沖縄企業様に伝わるだけでなく、築山自身も勉強になることも多く、とても光栄で有り難い話なのですが、業務の内容や目的によっては、お役に立てない案件が増えてきたのも事実です。

先日、ある企業様から協業の提案をお受けしたのですが、弊社のミッションやビジョンとは相容れないと判断し、僭越ながらお断りさせていただきました。そのエピソードをご紹介します。

 

企業活動を消耗戦へと導く「リバースオークション」

その企業様は、事業の一つとして、会社の固定費を「リバースオークション」によって削減し、削減額の一部を成功報酬として得る…という方式を採用していました。「リバースオークション」とは文字通り通常のオークションとは真逆に、買い手が最安値を提示した売り手を選択するものです。

日本では「競り下げ方式」と呼ばれ、民主党政権下で「事業仕分け」と共に行政コストを下げる手段として脚光を浴びました。民間でも長引く不況下で一円でも経費削減をしたい企業、特に大企業を中心に広がりと定着を見せています。

今回、弊社に頂いた提案は、クライアント企業への経費削減提案の一環としてこの「リバースオークション」を紹介して欲しい…というものでしたが、以下の理由をお話した上でお断りしました。

①沖縄県民の所得は全国最下位であり、これは企業の労働生産性が全国最下位であることと相関がある
②労働生産性が低い原因は、付加価値売上が低いこと

③付加価値売上が低い原因は、商品やサービスの値段が異常に低いこと
④商品やサービスの値段が異常に低いのは、企業が付加価値向上より値引を選択するから
⑤そうした経済の土壌に「リバースオークション」を持ち込むと消耗戦を助長させる
⑥弊社は沖縄企業の労働生産性を上げるためのコンサルティングをしている
⑦クライアントには経費削減よりも付加価値向上を優先させている

商取引の場面では、値引きをすることを「勉強する」という言葉でぼかすことがありますが、沖縄経済や企業に活動においては「勉強する」なら値引きではなくて、むしろ値引せずに済むよう商品やサービスの付加価値を上げるための、文字通りの「勉強」が必要です。

 

誰かにしわ寄せがいく経済活動が人々の生活を阻害する

好調な沖縄経済を牽引する観光業も、その実態は薄利多売と人手不足による消耗戦の様相を呈しており、オーバーツーリズムの状況も相まって、県民から十分な理解と支持を得られていない状況です。


また、県は観光に次ぐ産業の柱としての情報通信業(IT産業)を掲げて県外企業の誘致を積極的に行いましたが、ソフトウェア開発とコールセンターなどの下請け業務が殆どで、彼等の言う雇用拡大の実態は「内地より安い賃金での労働力提供」に過ぎませんでした。結果、沖縄県の情報通信業の労働生産性は全国平均の6割弱しかありません…。

また、沖縄県は財務基盤が脆弱な親族&個人経営による中小企業が多く、昔から「雇用の調整弁」として非正規雇用を増やす向きがあり、これが責任と自覚を持って労働生産性を上げる意欲を現場から削いできました。悪い冗談に聞こえるかもしれませんが、沖縄はそれを指導すべき公的機関(公務員)さえも非正規雇用率が高いのです。

沖縄の経済は好調と言われながら、県民所得は低いままで、貧困問題が解決しない原因の一つに、こうした「誰かにしわ寄せがいく経済活動」があるのは間違いありません。

 

GOOD VIBES ONLY!

繰り返しになりますが、弊社のミッションは沖縄企業の労働生産性を上げて県民の生活向上に寄与することです。そのために商品やサービスの付加価値を上げるコンサルティングを行います。

手前味噌な話になりますが、弊社自体がその思想に基づいた事業戦略と活動を行うことで、Google検索1位や、沖縄長者番付の上位にある複数企業様からコンサルティングの依頼を頂戴している事実があります。


こうした理念に共感していただき、顧客利益のために責任と行動力を持ってビジネスをされている方々からのご提案や協業をお待ちしています!

 

築山 大
琉球経営コンサルティング

 

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