withコロナの働き方:クライアントの二年後を考える

こんにちは。築山です。

新型コロナウィルスの影響によって、クライアントへのコンサルティング内容は大きく変わりました。WHOや国際的医療機関によれば、ワクチンの開発は1年以上を要すると言われてますから、長期戦を想定して準備するのが妥当でしょう。築山は、とりあえず二年と定めて、クライアント企業とやるべきことを逆算でリストアップしています。

大別すると「今の事態をどうやって乗り切るか?」と「この先の事態収束後に何をやるか?」の二つになります。築山は医者でもなければ、経済学者でもないので、専門家的な見地から将来を予測することは出来ませんが、だからといって、何も分からない状態では先んじた経営判断は出来ません。従って、経営コンサル屋には「ある程度、市場規模や将来を推測して戦略立案する」という能力が問われます。そして、それは論理的で分かりやすく、ある程度の納得感も必要です。経営コンサルタントに思考停止は許されません。

 

推測1:新型コロナウィルスの影響で休業を余儀なくされた那覇市の飲食店数は?

現時点で正確な数値が発表されておらず、実際に調査するのも難しいような、捉えどころのない数値を、既に分かっているいくつかの手掛かりを元に、その場で論理的に推測するには「フェルミ推定」という方法論を用います。例えば『新型コロナウィルスの影響で休業を余儀なくされた那覇市の飲食店数は?』という問いに対して、たった三つの数字からでも下記のように推測することが可能です。

① 沖縄県の飲食店店舗数:10,600店
② 沖縄県に占める那覇市飲食業の総生産:33%
③ 那覇市の飲食店数:3,500店(①×②)
④ 県飲食業組合の那覇市加盟店数:400店
⑤ うち休業店数:300店(休業率75%)
⇒ 那覇市で休業中の飲食店数:2,600店舗(③×⑤)
*①経済センサス、②県民経済統計、④⑤沖縄県飲食業生活衛生同業組合

 

推測2:コロナショックはリーマンショックよりも深刻で長引く

フェルミ推定とは異なり、数値化出来ない事象については、過去の事例や経験、知識の蓄積に基づいて、予測したり最適化します。この方法論をセンスメイキングと呼びます。以前のブログでも書いたように、築山は、コロナショックは、2008年に起きたリーマンショックと比較しても、その影響はより深刻で長引くと推測していますが、それは下記に基づいています。

リーマンショックは金融危機であり、上図を見ても分かるように、その影響が川上から川下へと広がったことによる「消費の冷え込み」でしたが、コロナショックは、その真逆で、川下から川上への広がりが予想される「経済の活動基盤の崩壊」の様相を呈しており、クライアントの経営者の方々と話していても伝わってくる「肌感覚」でもあります。つまり、ウィルスが収束しても、経済活動自体が復活するには、そこからさらに時間を要するのです。
これが、コロナショックの経済的影響がリーマンショックと比べて「より深刻で長引く」と推測する理由です。

 

withコロナの経営コンサル:クライアントの二年後を予測する

今、経営コンサル屋に求められる仕事の一つは、こうした推測を繰り返しながら、クライアントの二年後を予測しお手伝いをすることでしょう。もちろん、現状を乗り切るための手立てを考えることも必要ですが、そればかり考えていても気持ちが暗くなりがちです。気持ちが暗くなると、それは部下や周囲にも伝わります。「事態が収束した未来を推測し、それに向けた準備をすることは、モチベーションを維持する上でも大切なことになってくる」とは、あるクライアント企業の社長の言葉です。

ポストコロナの経済を考えるヒント

▶︎ 人材ビジネスが重要になる
→ 行政の評価項目の一つは失業率。改善に向け公的機関も民間と協業する?
→ ビジネススキル・自己啓発系のプログラム需要が増加(東日本大震災後にも増加)
▶︎ 変化した働き方とライフスタイルへの対応
→ 独立・起業、フリーランスの増加(東日本大震災後にも増加)
→ 婚姻の増加(東日本大震災後も増加)
→ リモートワークの定着による長期滞在や移住の増加(特に沖縄)
▶︎ 衛生概念の変化や環境保護意識の加速
→ 化学物質を使った長期間の消毒等による健康被害が発生:無添加やオーガニック
→ ウィルスの発生原因は環境破壊:温暖化以外の理由での環境保護意識

ネガティヴになるのでもなく、現状から目を背けたり蛮勇を誇示するのでもなく、かといって無理にポジティヴになるのでもなく、現状を客観的に捉え、過去の事例などからの未来を予測する。『多情多恨に淡々と』というのが、経営コンサル屋としての築山の座右の銘です。

 

築山 大
琉球経営コンサルティング

 

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