こんにちは。築山です。
世界経済フォーラムが発表する男女格差を表すジェンダー・ギャップ指数において、日本が121位/153ヶ国中であることは今や広く知られています。一般的にジェンダー・ギャップが起こる要因としては、①生物学的な違い、②宗教上の理由、③伝統的な社会構造や風習、④教育の欠如、などが挙げられますが、日本の場合は③や④に起因する思い込みや固定観念が大きな割合を占めています。
沖縄の公務員アンケートが浮き彫りにしたこと
先日、沖縄の地元紙が発表した県や市職員へのアンケートでは、男性の中に、そうした思い込みや固定観念が故にジェンダーギャップが解消されないであろうことが容易に想像し得るコメントが多数ありました。
・子育てに関する意識の違い(女性に偏り)があり(その結果)男性の方が残業させやすい
<35歳男性>
・(女性は)人を世話するイメージがあるのかも
<43歳男性>
・適材適所や本人の意思で自ずとそうなる
<43歳男性>
・総括や企画する能力が男性の方が高いから
<30歳男性>
・責任が重い職場に配置できる人が、残念ながら今はまだ男性に多い
<40代女性>
・そんな(偏っているという)ことはない
<20代男性>
もちろん、印象的な(酷い)コメントを意図的に掲載した可能性はありますが(「残業させやすい」はジェンダー議論以前の発言ですが)、中高年の男性が言うようなコメントが、若い男性職員や女性職員の中にも見られ、暗澹たる気分になりました。
沖縄社会における女性の生きづらさを示す15のデータ
これは氷山の一角に過ぎません。男女格差において世界の下位に沈む日本の中でも、沖縄県がさらに激しく、女性にとって生きづらい地域であることは、下記に記した女性に関する15の都道府県別データの多くで、沖縄県が全国下位、若しくは、突出して全国ワーストであることが浮き彫りにしています。それらを端的にまとめるとこういうことになります。
『女性に高等教育の機会を与えず、仕事はさせるが重要な役割を与えず、育児や介護の負担を押しつけてキャリア形成の機会を奪い、政治参加もさせず、あまつさえ暴力をふるい経済的にも困窮させている…』
人口の半分は女性です。その中の少なくない割合がこんな状態に陥っていては、貧困社会になるのも当然です。言い換えれば、ジェンダー問題を解決することは、貧困問題の解決にも寄与するのです。
個人や家族の意識変化で改善できる範囲は遥かに超えており「ゆいまーる」という言葉で都合よく片付けてはならない問題です。弊社のコンサルティング業務も、ジェンダー問題の解決に繋がる要素を反映させていきます。
築山 大
琉球経営コンサルティング