こんにちは。築山です。
沖縄で創業して7年目に入りました。皆様のおかげで毎年売上を伸ばすことができています。ありがとうございます。
コロナ禍の直前あたりから、本業のコンサルティングに加えて、プレジデントオンライン をはじめ、ジャパンタイムズ などの主要ネットメディアへの寄稿、日本経済社が主催する リゾートビジネス研究会 での講演、沖縄県産業振興公社が行う事業 リデプロの講師 など、さまざまな領域の仕事を頂くようになり、それがきっかけとなって本業のコンサルティング依頼に繋がる…という理想的なサイクルになりました。
この状況は、当初から狙っていたわけではありませんが、公開している弊社の創業計画書に書いたように、クライアントとの仕事の成果や、その過程で掴んだ顧客ニーズやインサイトから、新しいビジネスのアイディアを得て、それをいち早く具現化して顧客に提案し、改良を重ねながら自社の新サービスにしていく、いわゆる リーンスタートアップ方式 の結果です。以下、実例をあげながら詳しく説明します。
自分の仕事に必要で始めた分析が主要コンサルティングサービスの一つにまで成長:沖縄観光マーケティング
沖縄企業をコンサルティングする上で、観光産業の影響を避けて通ることはできません。2017年度の推計では、観光収入は7,800億円、経済波及効果は11,700億円。これは沖縄県のGDPの3分の1に相当する規模です。
最初は、クライアントとの仕事に必要で始めた沖縄の観光産業分析ですが、思ったよりたくさんの人が、いろいろな分析結果や、築山の課題意識に興味を示してくれていたので、ある程度まとまったところで試しにブログを書いてみたら、PV数がこれまでの7倍に跳ね上がりました。
このブログを読んだ沖縄の旅行会社などから観光業に関するコンサルティング依頼を頂戴するようになり、それらの仕事を通じて、沖縄の観光産業が抱える構造問題を把握しました。それを踏まえて書いた 問題提起と打開の方向性を示したブログ は、木下斉さんをはじめとした「その業界の方々」にも紹介され、上述ブログのさらに4倍ものPV数を叩き出しました。
沖縄の資本型植民地支配について。沖縄は地元資本との合弁とかじゃないとダメとか色々と規制すればいいのにと思うよねー。/沖縄の観光業は沖縄経済を牽引していない https://t.co/agZ7RXwU1q via @g_local_g_work
— 木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! (@shoutengai) January 6, 2020
このブログの後、沖縄の民間企業だけでなく、公的機関からのコンサルティング依頼も頂戴するようになり、より広い視野と高い視座で仕事が出来るようになりました。そこで気付いたのは、沖縄の観光産業の構造問題は、沖縄経済の構造問題そのものであることです。解決するには、低価格ではなく、高付加価値をエンジンにしてしっかり外貨を稼ぎ、給与や地域経済に還元することです。弊社がマーケティングと事業計画の立案をお手伝いした、富裕層・インバウンド向け貸切クルージングサービス 『 ESPACIO Ⅰ 』は、その試金石になると思います。
このように、最初はクライアントの市場環境分析と自分のために始めた沖縄観光産業の分析ですが、今では弊社の主要コンサルティングサービスの一つを担うまでに成長しました。
講義だけでなく仕事での実践と成果が伴ってはじめて人は成長する:人材育成
クライアントの困り事の多くは「分からないこと」ではなく「分かってるけど出来ないこと」です。弊社の提供サービスは、単なる知識や情報を伝えるコンテンツコンサルティングではなく、仕事での実践と成果を伴走支援するプロセスコンサルティングを基本にしています。従って、数時間から半日での講義や研修形式での人材育成は、コンサルティングサービスとして提供していませんでした。
しかし、コンサル終了後に行うクライアント従業員へのアンケートで「成果を出せたことで自分の成長を感じた」という回答が最も多かったり、経営者の方々から「結果的に人材育成にもなった」という評価をいただくたびに、プロセスコンサルティングは人材育成にも効くのではないかと思うようになりました。
発達心理学の権威であるロバート・キーガン教授の著書によると、ビジネスシーンにおける人材育成が上手くいかない原因は、従業員の知性のレベルに応じた育成を行なえてないことにあるそうです。具体的には、人の成長に関する「技術・知識の習得=分かる」と「思考・行動の変容=できる」という二段階のレベルに対して、人材育成プログラムの多くが前者に偏っていること、その人の「思考・行動の変容」を必要とする課題に対して「技術・知識の習得」で乗り越えさせようとすることです。
後者の「思考・行動の変容」を起こすには、育成される人や育成内容よりも、育成する人間や育成環境が重要になるため、組織づくりや時間が必要になります。そして、プロセスコンサルティングが人材育成に効く理由は、仕事での実践と成果を伴走支援することで関わった人の思考・行動が変容するからだと思います。現在でも、人材育成については単発の講義やセミナーは行なっていませんが、プロセスコンサルティングを理解して頂いた上での人材育成サービスの提供を行なっています。
自社で成果を出しているからこそ出来る:SEO対策
最近では、SEO対策やSNS運用についても具体的な助言や支援を求められることも増えました。完全な門外漢ですが、依頼を頂いたクライアントに理由を聞くと「だって、御社のサイトはGoogle検索で1位じゃないですか」と。確かに、自分が経営者なら、自社のサイトが検索1位でない会社にSEO対策を頼みたくないですね(笑)
実際、SEO対策に関して勉強してみると、アルゴリズムやキーワードやワード数などの根本にあるのは、ランチェスター戦略をはじめとしたマーケティングの原理原則です。言い換えれば、SEO対策はマーケティング戦略であり、それを本当に理解しないとGoogleの検索アルゴリズム改訂の度に右往左往してしまいます。
SNS(Facebook)に関しても、創業間もない頃に、ある女性経営者が言ってくださった「コンサルティングフィーを払い、会社の重要な情報を共有し、大切な従業員を預けるのだから、経営コンサルタントは能力だけでなく人柄も大切」という言葉を心に留めて、大切にしている価値観や、ビジネスや社会課題に関するオピニオン記事を投稿するよう心掛けてから、SNS経由での自社サイトアクセス数の割合が増えました。
このように、弊社が提供するコンサルティングサービスには、クライアントとの仕事の成果や、その過程で掴んだ顧客ニーズやインサイトから、新しいビジネスのアイディアを得て、それをいち早く具現化して顧客に提案し、改良を重ねながら主要サービスになったものが多くあり、これらが売上を牽引しています。
前職の会社での行動規範に『顧客の言うことを聞くな、顧客のためになることを成せ』というものがありました。学んだことを、こうして実際に活かせている意味で至言だと思いますし、それを教えてくれた会社と上司・同僚に感謝しています。
築山 大
琉球経営コンサルティング