こんにちは。築山です。
前々回のブログ『沖縄の観光業は沖縄経済を牽引していない』への反響が大きく、『NEWS PICKS』で紹介されたり、SNS等でも沢山の方々にシェアされました。その中には、普段、築山がビジネス書やブログを読んでいるような著名な方々もいらっしゃり、不思議な感じでした。いわゆる「バズった」というやつです。
沖縄の資本型植民地支配について。沖縄は地元資本との合弁とかじゃないとダメとか色々と規制すればいいのにと思うよねー。/沖縄の観光業は沖縄経済を牽引していない https://t.co/agZ7RXwU1q via @g_local_g_work
— 木下斉/Hitoshi Kinoshita (@shoutengai) January 6, 2020
「IT産業を沖縄経済の柱にしたい」ということで、偉い方々とお話しさせていただいたことがありますが・・・
あの時の発言を思い出すにつけ、道は険しそうだなぁと思います。
できる限りボクも力になりたいとは思っているのですが、「本当に手助けしてほしい」って思ってくれないとどうしようもない。 https://t.co/v5Qf3Je7YI— Madoka Sawa / 澤 円 (@madoka510) January 5, 2020
「らしさ」を軸にした価値創造、すなわちブランドマネジメントが大事。「地方だから稼げなくて当然」「給与レベル低くて仕方ない」「働き方も旧態依然」→この負けモデルから脱しない限り、人材獲得も移住促進も厳しいでしょう。#ブランドマネジメントhttps://t.co/U6Mw595PkL @g_local_g_workより
— 沢渡あまね新刊 #業務改善の問題地図 #ここアジャ #職場の科学 (@amane_sawatari) January 6, 2020
さらには、プレジデント社から依頼を受けて、ブログに加筆する形でプレジデントオンラインに寄稿し、これまた『NEWS PICS』や『Yahoo!ニュース』などでも取り上げられました。ここまでくると、いささか他人事のように映ってしまうから不思議です。
バズった効果
ピーク日のアクセス数は、通常日の約36倍、この日と翌日のたった2日で直近2ヶ月分のアクセス数を叩き出しました。下世話な話ですが、有料ブログ(note)の3日間の売上は過去4ヶ月分の合計額を超え、広告収入も前週の6倍になりました。沈静化後も、アクセス数のアベレージは従前の2倍近くをキープし、SNSのフォロワー数も増えました。
本当の効果:嬉しかったこと
そういった定量的な効果よりも、ずっと嬉しかったのは、このブログをきっかけに議論が起こったり、Twitterでのコメント付リツイートやFacebookでの友達申請時のコメントなどを通じて、いろんな方々の考えを知ることが出来たことです。
みんな、これよんで下さいねー。まさに俺が漠然と感じてた事がまだめられてます💦
「沖縄ザル経済の真実」いくら観光客が増えても県民が豊かにならない理由 https://t.co/uPiMBDi9Hl #POL— もーりー (@mori26857822) January 30, 2020
かなり辛辣ですが、沖縄の発展のために、何をどこに、どのようなカタチで売っていくのか、そこに沖縄らしさは共存するのか?など考えさせられました。https://t.co/v7NYjBx9ZX
— 新垣よしとよ 沖縄県議 (@yo4104) January 28, 2020
https://t.co/A6E8kWPlFE 沖縄経済の酷さを分析する意味では良い記事だと思う。違和感もかなり晴れるような内容だ。郷土愛に毒される県民程これが分からないジレンマ。お金を落とすという実感が何もかもウソだらけなのが沖縄の真実。郷土愛という病気はこれを見て治してほしい。
— んぱんぱ (@crayonmarch) January 28, 2020
積極的な意見表明をしたり、築山が友達申請を頂いた方々は、①進学や就職などで県外で生活した経験のある沖縄生まれの人、②沖縄が好きで長年住んでいる県外生まれの人、に大別されます。共通項としては「外からの目線を持っている人」です。特に、①の方々に響いたのが嬉しく、有り難く思います。(ちなみに、この記事の目的は「客観的事実の提示による課題の可視化」という以上の意味はありませんから「辛辣」というのは受け手の個人的な感覚です)
実は、弊社の行動規範は『売上額よりも影響力』であり、いずれにせよ、今回のブログはそれを実践出来た有意義な活動だったと自己評価しています。
そして、沖縄県庁から呼び出された…
そんな中、沖縄県庁に勤務する知人から「ある部署の人たちが話を聞きたいと言っている…」という連絡をもらいました。最初に思ったのは「ヤバい!呼び出しを喰らって怒られる…」でした(笑)。
しかし、実際は『例えば、築山が沖縄企業ではなく沖縄県をコンサルすると仮定して、経済戦略について思うところを聞かせて欲しい』というものでした。
出来るだけ沢山の人に均等にサービスをする行政と、ターゲット顧客だけに密度の濃いサービスをする民間企業とでは、仕事の目的や性質が異なることを踏まえた上で、前向きな提言が出来たと思います。
県庁の他にも、県産品拡売を業務とする機関からの面談申込みも入っており、ブログに書いた「沖縄の脆弱な経済基盤とその改善」という課題は、官民関係なく感じているんだな…と感じました。
汝の立つところを深く掘れ:伊波普猷 座右の銘
下記は、旅行者や移住者などの多くが口にする沖縄の普遍的な魅力です。これらは沖縄県民にとっても異論がないと思います。
観光業をはじめ、沖縄が外貨を獲得して地域経済のサイクルを回すために、こうした魅力を守りつつ、それらを情報発信すべきですが、問題なのは、それらが損なわれて実態とかけ離れつつあることです。
・美しい海 ⇒ 埋立や赤土流出
・長寿や健康 ⇒ 高い肥満率と短命化
・人の繋がり ⇒ 高い子どもの貧困率
・異国情緒 ⇒ 首里城の焼失
県庁の方々と面談したときに出た話ですが「外ばかり見てお金になりそうなことを真似するのではなく、自分たちの足下を見る」のが重要なんだと思います。実際、さまざまな沖縄企業に行っているコンサルティング内容の多くも、結局はここに行き着いています。
沖縄を代表する知性であり「沖縄学の父」といわれる 伊波 普猷(いは ふゆう)が座右の銘にしていた『汝の立つところを深く掘れ、そこに必ず泉あり』という言葉を思い出しました。
築山 大
琉球経営コンサルティング