こんにちは、築山です。
日々、沖縄のクライアント企業と仕事をしていたり相談を受けていて一番耳にするのは「人手不足」という言葉。もはや、経営者の挨拶代わりになってる…と言っても過言ではありません。あまりにも言われているので、状況を正確に把握するため各種公表されている数字を使ってちょっと分析してみました。
総人口は増えているが生産年齢人口は2012年から減っている
この10年間で日本の総人口が減少する中、沖縄県の総人口は年0.5%ずつ増え続けており人口増加率は全国第2位となっています。人口が増えているということは市場が成長しているということです。
一方で、働き手といわれる15歳〜64歳の生産年齢人口は2012年から減少に転じており、人口は増えている沖縄県でも、実は内地と同様に高齢化社会が始まっています。この2012年という年は重要なので頭の片隅に置いておいてください。
有効求人倍率と最低賃金は2012年から急増している
市場は成長しているので雇用や求人数は増えますが、働き手と求職数が減っているので求人倍率は上がり、人手確保のために賃金は上がります。沖縄県の有効求人倍率と最低賃金が2012年を機に急増していることがそれを裏付けており、2016年に沖縄県の有効求人倍率は本土復帰後初めて1.0倍を超えました。(最低賃金も伸びてはいるんですが金額は依然として全国最下位です…)
このままいくと2020年に沖縄の有効求人倍率は1.8倍に…
もう少し詳しく見ます。市場が成長している沖縄県の求人数は6年間で2.1倍になりましたが、求職者数は0.6倍に減少しているので求人倍率は急増、特に1.0倍を超えてからの1年間は凄まじく、この勢いで計算すると東京オリンピックが開催される2020年の有効求人倍率は1.8倍となります(因みに、現在の全国平均は約1.5倍)。
具体的に言うと2万人強の人手不足になるということです。数字で見るかぎり、今後、沖縄の人手不足は解消するどころか、ますます深刻になることが十分に予想されます。
実は、この人手不足の状況、少し前から沖縄企業では様々な財務的問題を発生させています。次回は、そこについてお話しします。
築山 大
琉球経営コンサルティング