沖縄・琉球をより深く知るための本

明けましておめでとうございます。築山です。

沖縄の魅力は、南国の暖かい気候や青い海だけではありません。海外との交易を生業として450年続いた独立国家の歴史と豊かな文化、日本になってからの数奇な運命。「一般的に語られる”大文字の言葉”ではなく、そこで営まれてた人々の生活や社会の”小文字の言葉”」(佐野眞一氏)を知るとさらに魅力が増します。築山にとって、沖縄をより深く知るだけでなく、仕事をする上でも役立った本を10冊紹介します。大江健三郎氏や司馬遼太郎氏などのいわゆる「大御所の有名本」はあえて外しました。お正月休みを利用して読んでみてはいかがでしょうか?沖縄旅行を考えてる方々、沖縄移住を考えている方々のお役に立てば嬉しいです。

 

文化を知る

大琉球料理帖

沖縄料理ではなく琉球料理。海外との交易で栄えてきた琉球王朝の歓待の宴で提供されてきた琉球料理は、沖縄の地の物を使い中国やアジア諸国の影響も反映した豊かな食文化です。この本には、沖縄で採れる食材とその旬の時期、身体への効能も記されており「食はクスイムン(医食同源)」という言葉の合理的で科学的な裏付けも知ることができます。

沖縄物語、料理沖縄物語

沖縄だけでなく、日本を代表する知性にして稀有の洒落者(第一回ベストドレッサー賞受賞者!)である古波蔵保好氏の手による本。戦前の沖縄の市井の人々の生活やそこで食べられてきた料理の描写は秀逸。我が家の「ラフテー」のレシピはこの本を参考にしています。残念ながら二冊ともに絶版で入手困難ですが、機会があれば是非読んでほしい本です。

こんにちは。築山です。出会いは25年前25年前、初めて自分で買った雑誌が『BRUTUS』。「死ぬまで不良」と題された特集記事(いかにも当時18歳の小僧が惹かれそうなタイ...

TRANSIT 28号 ー 美しき海の路めぐりて 琉球・台湾・香港

東シナ海「海の路」の直線上に並ぶ、沖縄・台湾・香港の関係を特集した本です。沖縄にとって台湾は日本本土よりも近い外国でしすし、香港は東京よりも近い距離にあります。これを読むと、文化・料理・歴史など互いに深い繋がりのある国であることが分かります。

 

社会を知る

ナツコ 沖縄密貿易の女王

築山が、自然以外で沖縄の魅力を再発見するきっかけとなった本。終戦直後から米国による本格的な統治が始まる「沖縄の空白の数年間」に盛んだった密貿易と、その中心にいた女傑:金城夏子女史の話です。現在の沖縄経済で重要な地位を占める企業や人物もたくさん登場し、人間模様だけでなく、戦後の沖縄社会を知ることもできる貴重な本です。

アメリカのパイを買って帰ろう

米軍統治時代の沖縄の市井の人々の生活を丹念に描いた本です。この本を読んでから、今の沖縄に残るアメリカ文化の残り香を見ると「この土地は昔、本当にアメリカ合衆国の一部だった」ことがリアルに伝わってきます。

同化と他者化

沖縄から日本本土への出稼ぎ労働者達への聞き取りや、当時の経済や人口動態のデータ分析を通じて、1950年代~1970年代の沖縄経済と戦後沖縄のアイデンティティが形成されていった過程を浮き彫りにした本です。そこから浮かび上がるのは「外を知ることで内の良さ再発見する」という逆説的ながらも普遍的なアイデンティティ構築の過程。圧巻は筆者の専門とする丹念なフィールドワーク。まるで、飲み屋の席でおじいの話を聞かされているような「臭い」のするリアルなインタビュー部分だけでもこの本を読む価値があります。

沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史(上下巻)

沖縄に対する典型的なイメージや一般的に語られる”大文字の言葉”ではなく、そこで営まれてた人々の生活や社会の”小文字の言葉”を取材した良著です。政治家、芸能関係者から、果てはヤ◯ザのヒットマンまで、幅広い人間が語る事実は、かえってニュートラルな視点で沖縄の戦後史を生々しく浮き彫りにしてくれます。

 

沖縄戦と米軍基地 

沖縄決戦 高級参謀の手記

沖縄戦の作戦立案者の一人である参謀による沖縄戦の記録です。直前で兵力の3分の1を台湾に引き抜いておきながら、沖縄戦の戦略を「航空決戦」か「持久戦」かにするかの判断を避け、米軍上陸後には現場に場当たり的な介入をする大本営(日本本土)と、それによって指揮系統を混乱させられながらも、持てる戦力を有効に使って必死で戦う沖縄の第32軍の姿は、ある意味で「どうしようもなく日本的」です。そして、作戦参謀ならではの地名や地形の詳細な描写からは、築山が日常生活で行く場所や通る道の殆どが、昔、血塗られた戦場であったことが生々しく伝わってきます。

本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること ー 沖縄・米軍基地観光ガイド

米軍基地問題に関しては、いろんな考え方や解釈があるとは思いますが、それ以前にまず「現実を知る」ために(特にベテランの沖縄リピーターの方々は)こういった切り口で観光をしてみるのもアリかもしれません。沖縄には「一等地は米軍、二等地は墓、人は三等地」という言葉がありますが、この本にある地図や美しい写真の数々を見るとその意味がよく分かります。

 

いかがですか?
余談ですが、沖縄県は、人口あたりの出版社数が日本で5番目に多い土地で、毎月たくさんの本が出版されています。面白い本も沢山ありますので機会があればそれらもご紹介したいと思います。

それでは、今年もよろしくお願いします。

 

築山 大

琉球経営コンサルティング

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